鈴木のりたけさんにインタビューしたよ

(だい)ピンチずかん3』が1()にえらばれたことを記念(きねん)して、作者(さくしゃ)である鈴木(すずき)のりたけさんにインタビューをしました!

01

前回(ぜんかい)(だい)ピンチずかん』が初登場(はつとうじょう)3()今回(こんかい)は『(だい)ピンチずかん3』が1()(かがや)きました。お気持(きも)ちをお()かせください。

絵本(えほん)作家(さっか)として18(ねん)、いろいろな絵本(えほん)(つく)ってきましたが、『(だい)ピンチずかん』は(いま)までで一番(いちばん)リラックスして、自分(じぶん)らしさ全開(ぜんかい)(つく)った絵本(えほん)です。高校(こうこう)時代(じだい)友達(ともだち)からも「これぞのりたけって(かん)じの絵本(えほん)だよね」と()われたんですけど、(たし)かに(ほか)(ひと)にはない自分(じぶん)(つよ)みみたいなものを直球(ちょっきゅう)()せたなと。()どもの(ころ)から()っていた純粋(じゅんすい)好奇心(こうきしん)とか、(なん)でもおもしろがる気持(きも)ちが、(いま)でもまだ自分(じぶん)(なか)(のこ)っているんだなと(さい)発見(はっけん)できたように(かん)じているので、そんな絵本(えほん)()どもたちから(えら)ばれて、すごくうれしいですね。

02

(だい)ピンチずかん』はどうやって()まれたのですか?

牛乳(ぎゅうにゅう)がこぼれた」は、次男(じなん)(しょう)2の(ころ)体験(たいけん)した(だい)ピンチです。ぼくは以前(いぜん)から、()どものおもしろい言動(げんどう)やドジな瞬間(しゅんかん)()間違(まちが)えなどをたくさんスマホにメモってたんですね。
そういうものをばーっと(なら)べて絵本(えほん)にできたらおもしろそうだなと(おも)ったのがスタートでした。『(だい)ピンチずかん』というタイトルが(さき)()かんで、編集者(へんしゅうしゃ)さんが以前(いぜん)図鑑(ずかん)編集(へんしゅう)をしていたこともあって、本当(ほんとう)図鑑(ずかん)っぽい絵本(えほん)(つく)ることにしました。紹介(しょうかい)しているのは、()(まえ)()どもが()こした(だい)ピンチもあれば、自分(じぶん)()どもの(ころ)体験(たいけん)した(だい)ピンチもあります。ボツになった(だい)ピンチもたくさんありますよ。

03

(だい)ピンチって、どうしてこんなに(わら)えるのでしょうか?

友達(ともだち)(あつ)まったとき、(なに)かおもしろい(はなし)をして()()()げたいじゃないですか。でも、自慢話(じまんばなし)をするのはダサい。そんなとき、(だい)ピンチの(はなし)結構(けっこう)使(つか)えるんですよ。ぼくは(むかし)(さかな)寄生虫(きせいちゅう)アニサキスにあたって激痛(げきつう)(くる)しんだことがあるんですが、そういう痛々(いたいた)しい経験(けいけん)って自慢(じまん)っぽくならないし、(おも)った以上(いじょう)にウケるんですよね。これだけみんなを(わら)わせられたなら、(くる)しんだ甲斐(かい)があったなって(おも)うくらい((わらい))。()ずかしい体験(たいけん)もかっこ(わる)失敗(しっぱい)(わら)いのネタになるので、どんどん(はな)すといいと(おも)います。「わかる~!」「おれもこんなことが……」と(はなし)がつながって、自然(しぜん)()()がりますよ。

04

どうして()どもは大人(おとな)よりも(だい)ピンチが(おお)(おも)えるのでしょうか?

()どもは大人(おとな)(くら)べて人生(じんせい)経験(けいけん)(すく)ないので、大人(おとな)にとってはどうってことないようなことでも、(だい)ピンチになってしまうんですよね。でも、(だい)ピンチを何度(なんど)経験(けいけん)するうちに、「(まえ)にこんな(だい)ピンチがあったから今回(こんかい)はこうしよう」と自分(じぶん)(かんが)えて()()えられるようになっていくはずです。
(だい)ピンチは経験(けいけん)すればするほど、たくましく成長(せいちょう)できる。だから、たくさん経験(けいけん)した(ほう)がいいんですよ。そばにいる大人(おとな)は、()どもが(だい)ピンチにならないよう先回(さきまわ)りしたりせずに、できるだけ見守(みまも)ってほしいですね。(だい)ピンチを自分(じぶん)経験(けいけん)したからこそ()られるものが、きっとあるはずですから。

05

のりたけさんは最近(さいきん)(なに)(だい)ピンチはありましたか?

ちょっと(まえ)胃腸(いちょう)(こわ)しました……なんて、リアルすぎて(わら)えませんよね((わらい))。もうちょっと(わら)えるのだと、この(あいだ)いいスーツを()()かけたら、上着(うわぎ)(うし)ろに×(じるし)のしつけ(いと)がついていたことがあって。普段(ふだん)あまりスーツを()ないので、そういうデザインなのかなと(おも)ってたんですよ。「ちょっと()わってるよね」なんて()ったら、「それしつけ(いと)ですよ」と指摘(してき)されて。あれは()ずかしかったなぁ。(むかし)(だい)ピンチだと、全校(ぜんこう)朝礼(ちょうれい)校長(こうちょう)先生(せんせい)に「鈴木(すずき)のりひろ」と間違(まちが)って()ばれたことがありました。(なに)()められるときだったのに名前(なまえ)間違(まちが)えられてしまって、(じつ)はまだちょっと()()ってます((わらい))。

06

のりたけさんはどんな小学生(しょうがくせい)でしたか?

絵本(えほん)作家(さっか)をしていると、()どもの(ころ)から絵本(えほん)()きで、()上手(うま)かったと(おも)われがちですが、ぼくは全然(ぜんぜん)そんなタイプではなくて、(そと)(はし)りまわって(あそ)元気(げんき)小学生(しょうがくせい)でした。友達(ともだち)(やま)(なか)秘密(ひみつ)基地(きち)(つく)ったり、()んぼでザリガニをとったり、()りに()ったり。(ほん)はほとんど()んでいなかったんですが、漫画(まんが)()んでいたので、「キン(にく)マン」や「ハイスクール奇面組(きめんぐみ)」など当時(とうじ)人気(にんき)漫画(まんが)のキャラクターをノートに()いて、友達(ともだち)()()ったりはしていましたね。でもそれも(べつ)将来(しょうらい)(むす)()くような(かん)じではなかったので、まさか大人(おとな)になって()仕事(しごと)にするだなんて、自分(じぶん)でもびっくりしています。

07

()どもの(ころ)()きだった(ほん)(おし)えてください。

絵本(えほん)仕事(しごと)(はじ)めたばかりの(ころ)編集者(へんしゅうしゃ)さんからどんな絵本(えほん)()きか()かれて、すぐに(おも)()かぶ絵本(えほん)がなかったので、本屋(ほんや)さんの絵本(えほん)()()()ってみたんです。そこで()つけて、「ああ、この(ほん)(むかし)()んだ!」とはっきり(おも)()したのが、『(うみ)』『人間(にんげん)』『地球(ちきゅう)』など、福音館書店(ふくいんかんしょてん)から()ている加古里子(かこさとし)さんの科学(かがく)絵本(えほん)シリーズ。どれも()きだったのですが、たとえば『(うみ)』だと、浅瀬(あさせ)にすむ()(もの)から深海(しんかい)()(もの)までがぱっと()てわかるように()かれているのがおもしろくて、夢中(むちゅう)になりました。あと、図鑑(ずかん)結構(けっこう)()ていましたね。図鑑(ずかん)(うし)ろの(ほう)()っていた「飼育員(しいくいん)さんの一日(いちにち)」みたいな情報(じょうほう)()るのが()きでした。

08

(だい)ピンチずかん』をどんな(ふう)(たの)しんでもらいたいですか?

(だい)ピンチずかん』の特長(とくちょう)は、どのページから()んでもいいところ。図鑑(ずかん)形式(けいしき)絵本(えほん)なので、(まえ)から順番(じゅんばん)最後(さいご)まで一気(いっき)()んでもいいし、ぱらぱらっとめくって()になるページだけ()んでもいい。()きなときに()きなだけ、()きなように()んで、(たの)しんでもらえたらと(おも)います。あとは、せっかくだからただ()るだけじゃなくて、コミュニケーションのきっかけにしてほしいなとも(おも)っていて。(ほん)から(はな)れたところでも、「あの(だい)ピンチ(ちょう)ウケたね」とか「おれも()たような(だい)ピンチを経験(けいけん)したことがあるよ」とか、友達(ともだち)同士(どうし)家族(かぞく)みんなで、(だい)ピンチをネタに()()がってくれたらうれしいですね。

09

のりたけさんは、絵本(えほん)でたくさんの(ひと)(たの)しませていますが、(ひと)(たの)しませるコツがあったら(おし)えてください。

まず自分(じぶん)自身(じしん)がとことん(たの)しむってことが大事(だいじ)だと(おも)います。(たの)しそうにしている(ひと)(ちか)くにいると、その(ひと)相当(そうとう)(きら)われてでもいない(かぎ)り、まわりの(ひと)(たの)しくなってくるはずですから。ぼくは()どもの(ころ)から(ひと)(たの)しませるのが()きで、小学校(しょうがっこう)のお(たの)しみ(かい)でも自分(じぶん)主役(しゅやく)寸劇(すんげき)企画(きかく)したりしてたんですけど、(いま)絵本(えほん)作家(さっか)としての活動(かつどう)もそういうのの延長(えんちょう)みたいなところがあって。『(だい)ピンチずかん』も自分(じぶん)(おも)いっきり(たの)しんで(つく)ったから、読者(どくしゃ)(みな)さんにもおもしろがってもらえたんじゃないかなと(おも)っています。

10

めんどうくさいことでも、おもしろがれますか?

めんどうくさいこと、たくさんありますよね。正直(しょうじき)()うと、()(なか)めんどくさいことばかり。できれば()けたいけど()けられない場合(ばあい)(おお)いし、だからって嫌々(いやいや)やってると、つまらなくなる。つまらなくてもいいの?っていうね。ぼくは自分(じぶん)人生(じんせい)をおもしろくしたいし、(たの)しい(ひと)とたくさん(わら)って()ごしたいという向上心(こうじょうしん)があるので、めんどうくさいことの(なか)にも、もしかしたら(なに)かおもしろいことが(かく)れてるんじゃないかと(おも)うようにしています。「めんどうくさい」も「おもしろい」も自分(じぶん)気持(きも)次第(しだい)だから、自分(じぶん)()えられるんですよ。(なん)でもおもしろがってやる!というつもりで(たの)しんでほしいですね。

取材・文 : 加治佐志津

鈴木のりたけさん

1975年、静岡県浜松市生まれ。グラフィックデザイナーを経て絵本作家となる。『ぼくのトイレ』(PHP研究所)で第17回日本絵本賞読者賞受賞。第2回やなせたかし文化賞受賞。『しごとば 東京スカイツリー』(ブロンズ新社)で第62回小学館児童出版文化賞受賞。『大ピンチずかん』(小学館)で、第13回リブロ絵本大賞、第15回MOE 絵本屋さん大賞2022 第1位など絵本賞8冠を達成。ほかの作品に、「しごとば」シリーズ、『たべもんどう』「おでこはめえほん」シリーズ(ブロンズ新社)、『ぼくのおふろ』『す~べりだい』『ぶららんこ』『ぼくのがっこう』(PHP研究所)、『おしりをしりたい』『おつかいくん』(小学館)、『かわ』(幻冬舎)、『どんでもない』『なんでもない』(アリス館)、『うちゅうずし』(KADOKAWA)などがある。

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